業種:IT(コンサル・SIer・受託開発)
従業員数:2,915名(2024年4月時点)
人手不足や燃料費の高騰、ドライバーの残業規制の強化によって物流の停滞が懸念される「2024年問題」など、多くの課題を抱える物流業界。SGシステムは、佐川急便をはじめとするSGホールディングスグループのIT統括企業として、ドライバーの配送順序、配送ルートを地図上でサポートするシステムや荷物の受け渡しをスムーズに行うためのシステムなどを開発しています。1983年の創立当初から新卒採用を続ける同社が大切にしているのは、学生一人ひとりとしっかり向き合うこと。SI第1事業部の小林太助さん、管理部 人材開発ユニットの和田直樹さん、山口成香さんに聞きました。
小林 私たちは、佐川急便と共に、物流現場の業務負荷軽減に取り組んでいます。
例えば、地図情報よりルートの組み立てを行う外部サービスと当社システムを連携し、最適なルートや集配順序を自動で計算するアプリを提供しています。このようなアプリの開発等を通じて、ドライバーによる配送業務の効率化を支援しています。
– これらのシステムを開発するには、自社で保有するデータをどう活用するかが重要で、ドライバー1人につき集配にかかる時間が数分改善されるだけで、全国で何千時間、何万時間と変わってくるんですよね。社会課題の解決にダイレクトに貢献できる仕事です。
小林 そうなんです。加えて、物流の現場を悩ませているのが「不在率」の高さです。できる限り1回の配送で荷物を受け取ってもらうため、時間帯指定や置き配の選択を可能にするなど、ユーザビリティを高めつつ、ドライバーの負荷も軽減できる仕組みづくりに取り組んでいます。
SGシステム SI第1事業部 担当部長 小林太助さん
– エンジニア目線で、御社で働く魅力はズバリ何だと思いますか?
山口 当社は企画から、開発、設計、運用、保守までトータルにサービスを提供しています。そのため、プログラミングスキルやシステム知識だけではなく、業界全体の問題から業務に関する機微まで、多くの知見を身につけることができます。
和田 若手のうちからさまざまな経験を積めることもポイントです。3年目までは、開発を中心に技術をとことん磨いていきます。プロジェクトの内容は、新規開発に加え、サービス改修や大規模リプレイスなど多岐に渡ります。責任のある仕事をどんどん任されることになりますが、それがエンジニアとしての成長にもつながっています。
3年目以降は徐々に上流工程を経験し、5年目にはプロジェクトリーダーを担うことも。早い場合、8年目にはマネージャーとしてチームを率いているメンバーもいます。
こうした成長を後押しするために大切にしているのは、先輩・後輩関係なくフラットにコミュニケーションしながらプロジェクトを進めていくことです。個人とチームがともに成長していける組織を目指しています。
– それ以降のキャリアとしては、どのような道があるのでしょうか?
和田 主にマネージャーとして成長していく「ゼネラリストの道」、専門領域を極める「スペシャリストの道」があります。後者の場合、インフラやデータベースなど、その道を極めていくことで職階と給与がアップしていきます。自らキャリアの方向性を探っていけるのはもちろんですが、会社としてさまざまな道を提案できるのも、当社で働く魅力の一つだと思います。
山口 ありがたいことに離職率は非常に低く、年々メンバーが増えている状況です。
SGシステム 管理部 人材開発ユニット ユニットマネージャー 和田直樹さん
– 2023年卒から24年卒で、インターンの中身を大きく変えたとうかがいました。
山口 そうなんです。23年卒のインターンは、架空の自社と顧客を設定し、「架空の顧客が困っていることを、架空の自社のソリューションを使ってどう解決するか」という内容でした。
24年卒は、これを大幅にリニューアル。「1Day仕事体験」と銘打ち、当社の実案件をモチーフに、実際の業務内容に近い形のインターンを実施しました。具体的には、コロナ禍でわれわれのグループが自治体へのワクチン輸送を手掛けたのですが、このシステムの要件定義や分析を体験してみようと。現場のエンジニアにも何度もヒアリングし、実務さながらのプログラムを作っていきました。これが非常に好評で、参加した学生の内定承諾者は10名以上となりました。
– 普段の業務をリアルに感じられたことが功を奏したのでしょうか?
山口 そうですね。加えて、インターンに参加する学生のモチベーションを調査したところ、「新たな学びがあるか」「スキルアップができるか」を重視していることが分かったんです。そこで、ロジックツリーを用いて論理的思考法を学ぶ機会を作り、「エンジニアとして成長する上では、こういう論理的思考がすごく大事」といったこともお伝えしました。こうした工夫が、学生の皆さんに受け入れられたのかなと思っています。
SGシステム 管理部 人材開発ユニット 山口成香さん
– インターンでは、学生に対するフィードバックも行っているんですね。
山口 はい、しっかりとフィードバックを行いましたし、インターンの間も積極的に話しかけ、密にコミュニケーションをとっていました。ですから、インターンに参加してくれた学生の顔と名前はよく覚えています。
– 1Dayインターンの場合、集まって解散して終わり。特にフィードバックがないケースが多いと聞きます。
山口 短い時間であっても、学生としっかり向き合う覚悟が大事だと思います。せっかく時間を割いて参加してくれているので、一つでも多くのことを持ち帰ってほしいです。
インターンに限らず、24年卒は学生一人ひとりをしっかりとフォローをしていく、ある意味ちょっと泥臭い動きを続けていました。例えば、説明会で質問をいただいたら、後から深掘りした回答を送ったり、問い合わせをいただいたら丁寧に返すだけではなく、あとで少し時間をもらってオンラインでも説明し、より深く対話をするということもしていました。
それから、面接後のフィードバックですね。部長面接以降は、必ず一人ひとりにフィードバックを行っていました。「こういうところがすごく良かったです」「◯◯さんのこういう考えに共感します」という内容が多かったかなと思います。
– 学生の皆さんからはどんなリアクションがありましたか?
山口 内定承諾の決め手として、「人事や面接官の対応がとても良かった」「親身に話を聞いてくれた」などを挙げてくれる学生が多く、私たちもうれしくなりました。心に響いてくれて本当に良かったと感じています。
株式会社サポーターズ 代表取締役
楓 博光
慶應義塾大学在学中に就活支援会社を創設し、人事ブログポータルサイトや就活イベントを運営。大学卒業後は大手広告代理店を経て、ベンチャー企業の採用担当として無人島インターンシップなどを生み出す。
2012年4月にITエンジニアのキャリアを支援する株式会社サポーターズを創業。これまでに約1000社の新卒エンジニア採用支援、約7万人の学生エンジニアのキャリア支援を行う。
著書『ゼロからわかる新卒エンジニア採用マニュアル』。
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