コクヨのDX内製化に挑戦 エンジニア1期生採用成功の秘訣

コクヨ株式会社 様

業種:メーカー
従業員数:連結6,931名、単体 2,142名(2023年12月末現在)

新卒エンジニア採用・育成のポイント

  • コクヨ様が開発チーム内製化や新卒エンジニア採用に取り組む理由
  • 新卒1期生採用を成功に導いた人事担当者の取り組み
  • サポーターズの「エンジニアEXPO」の効果

ワークスタイル・ライフスタイルの領域に海外含め5つの事業を展開しているコクヨ。大手文具メーカーがDX推進に取り組む理由とは。

長期ビジョン「売上高5,000億円」の達成に向けてDX内製化の推進を決定し、エンジニアの採用活動を始動した1年目で成功を遂げた裏側には様々な工夫がありました。

今回は、エンジニアの新卒1期生採用の立ち上げから携わった人事担当の櫻木さんにお話を伺いました。

開発チーム内製化への挑戦

– コクヨ様がDXに取り組む背景を教えてください

櫻木 2021年から企業理念を変えたりパーパスを設定しており、コクヨは今、変革期にあるんです。
各事業に存在していた、”今の時代にミスマッチなアナログ作業”をDX化するというフェーズになりました。極論を言うと、全社員のデジタル人材化を目指して、DX推進に取り組んでいます。

 

そんな中、開発チームを内製化しようとなったのは、2030年に向けた長期ビジョンが背景にありました。売上を現在の3千数百億円から5千億円まで伸ばすというビジョンの実現のためには、既存事業のDX化・新規事業の展開が必要不可欠です。


そこでまず目を付けたのが、デジタルと親和性の高いビジネスサプライ事業(通販事業)でした。外注していた開発を内製化し、スピード感を持って顧客ニーズを捉え対応していくこと、ノウハウを自社に蓄積していくことを目指しています。

 

▼コクヨ株式会社|長期ビジョンについて

新卒エンジニア採用に取り組む理由

– キャリア採用だけでなく、新卒採用に注力する理由は何ですか?

櫻木 もちろんキャリア採用も並行して活動していますが、盤石な組織体制を作っていくためには、顧客志向を大切にする”コクヨのDNA”を若いうちから持ち続けて活躍してくれる社員が必要だと思うんです。

 

現在は、ビジネスサプライ事業を変革中ですが、ゆくゆくは各事業や新規事業にもエンジニア組織を作っていきたいと考えています。会社全体が生産性高く、クリエイティビティを発揮しながら顧客ニーズを満たし、且つ顧客に新たな気付きをもたらせるような企業になりたいと思っています。
 

コクヨ株式会社 櫻木様

コクヨ株式会社 デジタル系コース新卒採用担当 櫻木さん

– 櫻木さんはコクヨ様に入社してからずっと人事を担当されているのですか?

櫻木 いいえ。2011年にコクヨに新卒で入社し、100%出資の子会社である株式会社カウネットにて通販サイト「カウネット」や間接材購買システム「べんりねっと」のシステム営業を担当していました。

2023年10月にHR部に異動となり、現在は総合職(事務系コース)とデジタル系コースの新卒採用を担当しています。営業時代はビジネスサプライ事業に携わっていたので、デジタル系コースの立ち上げに親和性は高かったかもしれません。

 

– はじめての採用活動で不安はなかったですか?

櫻木 非エンジニアである自分がデジタル人材の採用を担当するのは不安でした。営業時代にITパスポートやG検定は取得していましたが、プログラミングには触れたことが無かったので、様々な書籍を読んだり、社内のデジタル人材やエンジニアとして働く友人など多くの方から情報収集をしました。

学生は人生を掛けて臨んでくれているので、素人の自分でもしっかりと評価できなければ学生に失礼だと考え、必死に勉強しました。

 

私は1次面接の面接官を担当していましたが、技術面を見極める2次面接も全てオブザーブさせてもらいました。そこで、面接官である社内のデジタル人材がどのようなスキルや人柄を求めているのか、どんな風に見極めているのかを理解することに努めました。

学生の志向性や技術力、将来的なビジョンなども見ることができ、26卒の採用に向けて自身で説明できる範囲も広がったと思います。

 

– すごい努力ですね。ちなみに、新卒エンジニアの採用面接ではどんなポイントを見ていらっしゃるんですか?

櫻木 先ほどもお話しましたが、コクヨは顧客志向を大切にしています。まずはそこがマッチするかを見ています。そのうえで、論理的思考力やコミュニケーション力・主体性・行動力があるのかなどを総合的に評価しています。

新卒採用では、高度なスキルを求めているわけではなく、価値観やスタンス、これまでの取り組み方などを通じて伸びしろを評価するようにしています。使用言語や技術面に関しては、入社後に成長してほしいと思っていますし、一人ひとりのポテンシャルを大切にしたいと思っています。

コクヨは真面目な人が多くて、”誠実な変態たち”が何事も突き詰めてこだわりを具現化する会社なんです。なので、好奇心旺盛な人が合うのかなとも思います。

 

– エンジニア採用に苦戦する企業が多い中、コクヨ様が1期生採用から好調な理由は何だと思いますか?

櫻木 接点を持った学生への”惹きつけ力”がコクヨの強みだと思っています。
例えば、インターンシップに参加してくれた学生とは、定期的な面談やイベントへの呼びかけなど、一人ひとりと確実にコミュニケーションが取れる環境を作っています。

我々HRメンバーは、学生が心を開いてくれるように、堅くなりすぎずフランクに接することを意識しています。また、一人ひとりの志向などを伺うにつれ、ある学生にとってコクヨ以外の企業に就職した方が幸せな未来があると感じた場合には正直に本人に伝えるようにしています。そのようなスタンスが結果的にコクヨへの信頼に繋がっていけば嬉しいです。

エンジニアEXPO出展の成果

エンジニアEXPO2023_コクヨ様資料抜粋

 エンジニアEXPO2023|出展企業 コクヨ様紹介資料より抜粋

 

– 2023年秋にサポーターズのエンジニアEXPOにご出展いただきましたね。初回のEXPOご出展はいかがでしたか?

櫻木 老舗の事業会社ですから、「コクヨ×デジタル」のイメージはないだろうと思っていましたし、本当に学生が来てくれるのか不安でした。数多くの名だたるIT企業が参加される中、どうすれば学生に選ばれるのかを考えた結果、”他社との差別化”に振り切ったんです。

1画面に2人映り込み、単調な企業紹介ではなく2人での”掛け合い”という形で社員の雰囲気を伝えながら、「楽しくコクヨを知ってもらう」をモットーに運用しました。
これが学生に好評だったのと、意外にも「コクヨのデジタルは何をやるんだろう?」というポジティブに興味を持って参加してくれた学生が多い印象でした。

 

– このような施策を取られた背景はなにかありますか?

櫻木 EXPOに出展されている他企業は、IT企業として有名な企業が多いので、差別化が重要だと考えていました。そこで、他採用コースで実施したインターンシップに参加してくれた学生アンケートでの「社員の雰囲気が良かった・社風に惹かれた」という部分を生かすべきだと思ったんです。
 

▼サポーターズ|日本最大のエンジニア向け就活イベント

エンジニア新卒採用1年目で10名以上の採用に成功。コクヨの採用の工夫

– 採用実績はいかがでしたか?

櫻木 25卒では、デジタル人材を10名以上採用できました。採用した学生の9割がインターン参加者でしたし、インターン参加者の半数はサポーターズ経由でした。

ちなみに、インターン参加者の内定承諾率は100%でした。

 

– すごいですね。インターンシップはどんな内容ですか?

 2Daysのインターンシップで、現場をがっつり巻き込み、役員2名にも協力してもらいました。それくらいコクヨが本気だということを学生に伝えたかったんです。これはインターンシップだけではなく、選考からフォローまで一貫して意識しています。

 

2日目のアジャイル開発の模擬体験では、パソコンを一切使用しませんでした。
コンテンツの詳細は言えないのですが、エンジニアの思考方法をレクチャーしたり、チーム開発を体感してもらいました。このワークショップは学生からも好評で26卒でも実施したいと思っています。

ランチタイムは、とにかく多くの社員とコミュニケーションを取ってもらいました。土日での実施だったにも関わらず、両日とも役員含め10名以上の社員が協力してくれたので学生の惹きつけに繋がったと考えています。

サポーターズを選ぶ理由

– サポーターズを選んでいただいたのは、なぜでしょうか?

櫻木 25卒からエンジニアの新卒採用をスタートさせるというのも、2023年の夏に決まったんです。私は2023年10月からHR部に正式異動になりましたが、7月から3ヶ月間は前部署の引継ぎや人事業務の引継ぎなどで、正直エンジニア採用についてゆっくり考える時間がなかったんです。

 

複数の採用支援会社と話しても、情報系学生に特化した母集団形成は難しいと感じ、アドバイスをいただいてもなかなか突破口を見出せずにいました。
そんな中、サポーターズさんと出会い、こんなにエンジニアに特化した企業があったんだという驚きと期待感が大きかったことを覚えています。サポーターズさんからいただいた書籍「ゼロからわかる新卒エンジニア採用マニュアル」も3回は読みました。

徐々に知識がついてきて、”サポーターズさんに相談したら分からないことは解決できる”という安心感がありました。企業ピッチでいかに学生の興味を引くかといったアドバイスなど、親身な対応が人事初心者・非エンジニアの自分にとってはとても心強かったです。

 

▼書籍「ゼロからわかる 新卒エンジニア採用マニュアル」に関する記事

– 今後もサポーターズを利用したいと思いますか?

25卒内定者の半数以上がサポーターズ主催のEXPO経由なので、本当に感謝しています。
ゆくゆくは、技育プロジェクトに協賛させていただき、採用だけでなく優秀な技術者を育てること、業界全体を盛り上げるような立場になっていきたいと考えています。

これが私のヨコクです!

 

▼サポーターズの「技育プロジェクト」とは

インタビュアー

株式会社サポーターズ荒川貴史

株式会社サポーターズ セールス・プロモーション室 室長
荒川 貴史

2018年にパーソルキャリア(旧インテリジェンス)株式会社に入社。転職支援サービス「doda」の法人営業として、ベンチャー~大手企業の中途採用支援業務に従事。その後、同社のデジタル企画部に異動し、エンジニアやデータサイエンティストと協業したDXプロジェクトを推進。

2022年に株式会社サポーターズ入社。新卒エンジニア採用に関する採用ナレッジの開発やプロモーションを担う。また、並行して自社の採用業務にも携わる。

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